防災紙芝居

この紙芝居は、私たちが4年生の時に作成しました。平成30年西日本豪雨災害の時は1年生でした。
総合的な学習の時間に、豪雨災害を忘れてはならないという気持ちや小屋浦の人たちが防災について考え、自分や家族の命を守る行動ができるように願って作りました。
題名 「あの日のできごと 〜平成三十年七月ごう雨災害〜 」
作成:小屋浦小学校 4年生
(河内・竹内・問芝・奥川・中本・半田・山本・渡部・西村先生) 



私は広島県坂町小屋浦に住んでいる4年生。小屋浦は、山に囲まれていて、きれいな川も流れている。
私の家族は、お父さん、おかあさん、お兄ちゃん、妹の5人家族。毎日にぎやかで楽しい家族だ。そんな私たち家族に、平成30年7月、大変なことが起こった。それは…

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〈ザー ザー ザー〉
7月6日、朝起きると、雨のふる音がした。外を見ると、大雨が降っている。
(今日は休校かなあ?)
私は学校が休校になってほしいと思っていた。
7時になって
「今日は、大雨のため休校です」
という放送が聞こえた。
私は、
「やったぁ、休校だ〜」
と、とても喜んだ。私は、雨のいきおいが少し怖かったが、心配なんかしていなかった。
妹は、お母さんにひっついてはなれなかった。怖がっているみたいだ。お父さんは、せっせと避難の準備をしていた。
私は、
(そんなにするほどでもないのに…)
と思っていた。

A
お昼を過ぎても、雨は弱まることはなく、逆に強くなってきた。雨音は、
〈ゴー!ゴー!ゴー!〉
という音に変わっていた。窓から外を見ると、川がいまにもあふれそうだ。
〈タララララン!〉
と携帯の緊急メールが鳴り出した。怖くなってきて、お母さんに
「大丈夫なの?」
と聞くと、
「だいじょうぶよ、だいじょうぶよ」
と落ち着いて言った。突然、お兄ちゃんが
「えっ!」
と大きな声でさけんだ。
「玄関まで水がきそうだ!!!」
私は、
(またふざけて〜)
と思いながら玄関に行くと、本当にもうすぐ水が入ってきそうだった!
外の道路は、まるで川のようになっていた。私は、
「おとーさーん!おかーさーん!速くきてー! み、水がー!!」
と叫んだ。それを見たお父さんが
「避難の準備を早くしたほうがいいな」
とつぶやいた。

B
その時…!外から雨の音に混じって、
「助けてー!」
という大声が聞こえた。
「おとーさーん!外から声が聞こえるよ〜」
「助けてー!助けてー!」
「大変だ!急いで助けにいかんと!」
妹は、
「えっ、お父さん行くの!?やだやだ怖いよー(泣く)」
「ひまわり大丈夫よ。お父さん、気を付けてね」
お母さんも少し心配している。
「よし、行ってくる!」
お父さんが大雨の中、外にかけだして行った。
「お父さんがいないと不安だな…」
とつぶやくと、お兄ちゃんが、
「俺がいるから、大丈夫だぜ!」
と言ったその時
〈ドッカーン! ドン!ドン!ドン!〉

C
という今まで聞いたことがないような音が聞こえた。
「うわー、何の音?」
急に電気が消えて真っ暗になった。
「いやだー!」
「うわー!」
みんなで不安になっていると、お父さんがあわてた様子で帰ってきた。
「た!大変だ!砂防ダムが崩れたらしい!今、外に出るのは危険だから、二階に避難するぞ」
「お父さん、二階で大丈夫なの?」
「大丈夫だよ」
みんなは、急いでテレビなどを二階に運んで、自分たちも二階に上がった。

D
一階の床の上まで水がたまってきた。
「このまま二階まで水が来ちゃったらどうしよう。」
明かりがないので、かいちゅう電灯とろうそくを使ってうす暗い中、ご飯を食べた。お父さんとお母さんが、ベランダで外の様子を見ている。
「これからどうなるかしら」
「うーん、今外に行くのは危ないから、このまま、ここにいよう」
お兄ちゃんはスマホで、災害の状況を確認していた。
「あちこちで、道路が通れなくなっている。電車も止まっているみたいだ」
なんだか大変なことになっている。家族が話している声を聞いているうちに、いつの間にか、私は寝てしまっていた。

E
次の日の朝、小屋浦の町はたいへんなことになっていた。川が土でうまっている。
「うわあ!川の水が道路に、どばどば、流れてる!家の周りが川みたい」
「まだ、水が家の中に入ってくる」
「すごい、土砂がいっぱいだ」
「なんか変なにおいがする。何のにおいだろう」
「あーっ!向こうの家が崩れてる」
「友達はだいじょうぶかなあ」
みんな不安でいっぱいだった。
「これからどうなるんだろう…」

F
数日後、雨が止み、水もひき、家の片づけが始まった。家のゆかを全部はがして、土や水をかきだした。でも、かいても、かいても土がなくならない。十分もしないうちに土のうぶくろが、ぱんぱんになる。しかも、季節は夏だから暑い。少し作業すると汗がぽたぽた、たれてくる。暑いけど、マスクをしていないと、くさくて作業ができない。
「暑くてもう、やだ!」 「いつになったら、終わるの?」
「あと少しがんばろう!」
「もう少しやったら、休憩しましょうね」
お兄ちゃんは、黙々と作業を続けていた。その時、
G
「お手伝いしましょうか?」
と、声をかけられた。
「えっ、だれですか?」
「私は、大阪から、ボランティアで来ました」
「えっ、大阪から!?」
「はい」
「ほんとに手伝ってもらって、いいんですか?」
「はい!もちろんです」
周りを見ると、ほかの家にもボランティアの人が来ている。警察や消防、自衛隊の方々も手伝いに来てくださっている。道路や公園なども片づけてくださった。
「こんなにたくさんの人が、わたしたちを助けに来てくれているんだ!」

H
家の近くでは、飲み水や、トイレに流す水を、自衛隊の人がくれた。ふれあいセンターでは、お弁当、飲み物などの食べ物や、タオルやけしょう水などの生活に必要なものを、配っていた。近くの温泉の無料券も配ってくれていた!
「こんなことまで、してくれているんだ。うれしいなあ、ありがとう」
I
「数年後…小屋浦はすっかり変わった」
「新しい公園ができたり、保育所も新しく建て直されたりしました」
「大雨が降っても安心できるように砂防ダムも作られた」
「でも、これから先、また!いつ! 大きな災害が起きるかもしれないね」

「じゃあ、こうしよう。」
おわりに

「僕は、災害が起きたらどこに避難するかを調べておきます。」
「僕は、いつ起きてもいいように、大事なものは2階に置いておきます。」
「僕は、はぐれても大丈夫なように、家族とどこで待ち合わせるかを決めておきます。」
「ぼくは、避難場所をきめて、避難バックを 用意しておきます。」
「私は、いつ避難するとか、どのみちで避難するかを、家族で確かめておきます。」
「私は、また起きるかもしれないから、避難バックを用意しておきます。」
「私は、あぶないと思ったら、すぐ避難するようにします。」
「私は、すぐ避難できるように、避難する道を確かめておきます。」
そして、今回の事を忘れないように教訓として残し、そして伝えていきます。