町長施政方針

更新日:令和5年3月20日

令和5年度 町長施政方針

 

 令和5年度の坂町政を推進するにあたりまして、施策の方針を申し述べ、町民の皆様方の御理解と御協力をいただきたいと存じます。
 国際的な原材料価格の上昇に加え、円安の影響などから、エネルギー・食料品等の価格上昇が続いており、町民生活や事業活動に大きな影響が出ております。
 こうした状況を踏まえ、本町では、物価高騰の影響を受ける家計や価格転嫁の困難な事業者等の負担を軽減すべく、坂町くらし応援クーポン券事業や給食費支援事業など、町独自の様々な支援施策を機動的に実施してまいりました。
 今後も引き続き、物価高騰、円安等の経済情勢や新型コロナウイルス感染症の影響などを見極めながら、地域密着、住民密着を常に念頭に置き、臨機応変に町民生活を守り抜く施策を講じてまいる所存でございます。
 平成30年7月豪雨災害からの復旧は、令和5年度に概ね完了する見込みとなっており、道路や橋梁などの公共土木施設は、被災前の状況を取り戻しつつあります。
 今後は、復旧から復興へと取組の段階を切り替えながら、道路等の社会基盤の更なる強靭化やベイサイドビーチ坂の年間を通じた賑わい創出など、町民の皆様とともに「がんばろう坂町」を合言葉に、将来に向け、町民が希望を抱けるよう全身全霊で邁進してまいります。
 令和2年から続く新型コロナウイルスの感染拡大は衰えを見せず、その収束はいまだ見通せない状況となっており、世界中が大きな困難に直面しております。
 本町におきましては、臨時インフルエンザ予防接種事業や子育て応援臨時支援金の支給など、本町独自の感染防止対策や経済的支援を行ってまいりましたが、令和5年度につきましても、引き続き、新型コロナウイルス感染症対策に万全を期し、国、県からの情報を迅速かつ的確に把握しながら、感染拡大防止のための留意すべき行動等を町民に周知・啓発するなど、感染拡大予防に取り組んでまいります。
 令和5年度は、坂町第5次長期総合計画の計画4年目に入ります。
 まちの将来像である「自然に恵まれた健康で文化的な住みよいまち」を実現するべく、また、目指すべきまちづくりの基本テーマである「災害から復興し、みんなにやさしいまち坂町」の実現に向け、甚大な被害を受けた平成30年7月豪雨災害から一日も早く復興し、被災前よりも安全で、安心して暮らせるまちづくりを推進してまいります。
 また、本町の課題である地域間の格差の解消と、均衡ある地域の発展、次世代に向けた持続可能な地域を構築するため、県道坂小屋浦線の「道路整備」や、横浜地区の越波防止・高潮対策などの「海岸整備」、土砂災害防止などの砂防堰堤を含む「河川整備」の三位一体の防災対策を引き続き、推進してまいります。
 こうした取組を着実に進めるためには、財源を安定的に確保することが必要となりますが、国・県の補助金・交付金も極めて厳しい状況の中、財源確保が困難な場合には、議会の皆様と御相談をしながら、事業の性格に応じた新たな財源についても検討していかなければならないと考えております。
 次に、地方創生につきましては、「第2期坂町まち・ひと・しごと創生総合戦略」のもと、人口減少対策を推進し、持続可能な地域社会の実現に向け、取り組んでまいりましたが、地方創生を今後さらに加速化・深化させていくためには、坂町の個性と豊かさを活かしつつ、都市部に負けない利便性や生産性を兼ね備えていくことが求められており、これらを進めていく上で必ず発生いたします諸課題の解決には、デジタルの力を全面的に利用していくことが重要であると考えております。
 国においても、こうしたデジタルの力で地方の社会課題の解決を進め、地方創生を目指していくことを全面的に打ち出しており、その施策の方向や具体的な取組内容などを取りまとめ、「デジタル田園都市国家構想総合戦略」として令和4年12月に策定されたところでございます。
 このことを踏まえ、本町におきましても、デジタルを活用して地方創生を図るため、令和5年度に「坂町まち・ひと・しごと創生総合戦略」を「坂町デジタル田園都市国家構想総合戦略」に改称し、内容を改訂してまいります。
 本町でのデジタル活用におきましては、デジタルに不慣れな住民が取り残されることがないよう、デジタルとアナログが共生する「人に優しいデジタル変革」を念頭にこれまで取組を進めてきたところであり、令和5年度以降におきましても、国が打ち出した総合戦略を踏まえつつ、町の独自施策として「デジタルとアナログの共生」を基本としつつ、町民の皆様の利便性の向上と、地域課題の解決に対し、デジタル技術の活用を積極的に進めてまいります。
 各地区住民福祉協議会とも更なる連携を深め、住んでみたい町、住み続けたい町となるよう、親から子へ、子から孫へと歴史・文化・地域を守り、30年先も50年先も、坂町が坂町で在り続けられるまちづくりを町民の皆様と一体となって創造してまいります。
 そして、坂町の将来像である「自然に恵まれた健康で文化的な住みよいまち」の実現を目指し、町民と行政がまちづくりの目標を共有し、地域密着、住民密着の行政サービスに努め、「小さくても光り、輝きのあるまち」にするため、私以下、全職員が一丸となり、全力を挙げて取り組んでまいる所存であり、令和5年度におきましては、主に次の諸事業を展開してまいりたいと考えております。
・物価高騰などによる厳しい経済情勢から町民生活を守り抜くための
「臨機応変な物価高騰対策等の実施」
・平成30年7月豪雨災害からの復興のための
「道路等社会基盤の強靭化」
「くらしの再建」
「被災者への相談支援体制の継続」
「防災行政無線戸別受信機の無償貸与」
「災害に強いまち・ひとづくり」
「災害伝承ホールの活用」
「災害誌の制作」
「津波・高潮ハザードマップの更新」
「消防小型ポンプの更新」
・新型コロナウイルス感染症等から町民の生命と健康を守るための
「感染症対策の啓発」
・新しい人の流れをつくり、転入による定住人口を増やす
「三世代同居・近居の推奨」
「空家利活用の促進」
「子育て世帯引越支援事業の実施」
「地方創生移住支援事業の実施」
「地域おこし協力隊の導入」
・交通体系を形成する
「県道坂小屋浦線の整備」
「環状線道路事業の推進」
「町内循環バス事業の推進」
「都市防災総合推進事業(避難路)の推進」
・都市の根幹的施設としての
「橋梁等の老朽化対策事業の推進」
「下水道長寿命化計画事業の推進」
「下水道事業企業会計の推進」
「安芸衛生センターし尿前処理施設整備事業の推進」
・美しいまちづくりを推進する
「環境美化事業の推進」
・災害等の防止・軽減に対応した
「砂防堰堤等の再度災害防止対策事業の促進」
「都市防災総合推進事業(防災公園)の推進」
「海岸保全施設整備事業の促進」
「森山北漁業基地の防波堤事業の促進」
「横浜排水区浸水対策事業の推進」
「建築物耐震化の促進」
・総合的な福祉サービスの提供を推進するための
「福祉事務所の充実」
「保健・福祉拠点の整備」
「第1次福祉のまちづくり計画の推進」
「生活困窮者自立支援の充実」
・生き生きとした生活を実現するための
「第2次(後期)健康さか21(健康増進計画・食育推進計画)、
いのちを支える坂町プランの推進及び次期計画の策定」
「第2期データヘルス計画、第3期特定健康診査等実施計画の
推進及び次期計画の策定」
・活力ある長寿社会を創造するための
「第9期高齢者保健福祉計画、第8期介護保険事業計画
の推進及び次期計画の策定」
「地域共生社会に向けた地域包括ケアシステムの強化」
「高齢者の保健事業と介護予防の一体的事業の実施」
・障害の有無により分け隔てられることなく地域で生活するための
「第7期障害福祉計画及び第3期障害児福祉計画の策定」
「障害福祉サービス施設の整備」
・子育てにやさしい環境整備のための
「第2期子ども・子育て支援計画の推進」
「子ども家庭総合支援拠点事業の推進」
「乳幼児等医療費助成制度の拡大・充実」
「妊娠期から出産・子育て期まで一貫した伴走型相談
支援の充実」
・乳幼児保育の充実のための
「地域に根ざした保育及び幼児教育の推進」
・地域づくり人づくりの核となる
「生涯学習社会の推進、生涯スポーツ社会の振興」
「地域とともにある学校づくりの推進」
・伝統文化を大切にする社会の推進、郷土愛の醸成を図るための
「芸術・文化活動の振興」
「偉人マンガの制作・活用」
「六角御輿の活用」
・情報化・国際化に対応した人づくりを目指すための
「ICTを効果的に活用した教育の推進」
「小・中学校英語教育の充実」
・観光レクリエーションの振興と交流人口増加のための
「ベイサイドビーチ坂の賑わい創出」
・地域課題の解決と行政事務の高度化・効率化のための
「デジタル技術の実装(デジタル化の推進)」
「行政手続きオンライン化の推進」
・情報発信機能を強化するための
「町公式ホームページ・町公式ラインの充実」
「テレビのデータ放送を活用した情報発信」
「仮想現実(VR)を活用した観光施設の魅力発信」
「ご当地ナンバープレートの導入」
・公共施設の中長期的な維持管理のための
「町民ひろば及び社会教育施設長寿命化計画の推進」
こうした事業を議会の皆様をはじめ、町民の皆様の英知と御理解・御協力を支えに「希望と生きがいを感じ得る、より豊かなまち」を目指して、全力を挙げて取り組んでいく決意でございます。
以下、主要な施策につきまして、基本的な方針を述べさせていただきます。

 

1 安全で安心に暮らせるまちづくり

 

 国による強くしなやかな国民生活の実現を図るための国土強靭化施策との調和を図り、本町における国土強靭化に係る施策を総合的かつ計画的に推進するための指針として、令和2年度に「坂町国土強靭化地域計画」を策定いたしました。この計画に基づいた施策を進めてまいります。
 平成30年の豪雨災害では、本町を取り巻く山々から発生した土石流により、河川、水路、沢を土砂や流木が覆い、住宅地に土砂が流れ込みました。また、急傾斜地においては、がけ崩れにより住家等への被害も発生いたしました。
 現在、被災の主要因である土石流を上流域で食い止めるため、国や県の支援をいただきながら、砂防堰堤や渓流保全工の整備、治山事業による谷止めの整備を実施いたしております。
 防災対策の一環である砂防堰堤等の整備や急傾斜地の斜面対策工事につきましては、再度災害防止対策事業を含め、引き続き、国や県に事業の推進と早期完成を要望してまいります。
 応急対応中の道路や河川などの災害復旧事業につきましては、早期完成に努めてまいります。
 ため池につきましては、農業用として本町内に6箇所ありましたが、地域の安全を確保するため、県の協力のもと、現存するため池の機能を廃止する工事が令和4年度に完了し、全てのため池がその役割を終えました。
 また、今後の災害に備え、防災公園を整備するなど、地域の安全対策に取り組むとともに、雨水排水能力が不足する排水路につきましては、順次、改良を行い、近年の集中豪雨により、度々浸水被害が発生している横浜排水区につきましては、雨量解析により抽出した排水能力が不足する箇所の改善に向け、排水路改良工事を行ってまいります。
 さらに、排水ポンプ場の定期的な点検、計画に基づく改良・修繕により、排水能力を適切に確保してまいります。
 台風などによる沿岸部の越波対策につきましては、横浜東一丁目の町護岸、横浜小学校前面の県護岸の嵩上げ及び離岸堤が完成しており、残る護岸の早期完成に向け、県や国に強く要望してまいります。
 こうした事業につきましては、地域住民、地権者等関係者の御理解と御協力をいただきながら、事業の早期完成を目指し、国や県と協力して推進してまいります。
 次に、被災者支援につきましては、平成ヶ浜東公園の応急仮設住宅に入居されている方が住まいを再建するまでの間、応急仮設住宅を供与いたしておりましたが、令和4年度に、入居されていた全ての方が退去されたところでございます。
 また、被災者の方々に対し、保健師による継続した個別訪問を実施するとともに、坂町地域包括支援センター及び各関係機関と連携して被災者の生活再建に向けた様々な相談支援等を継続して行ってまいります。
 災害により犠牲になられた方々に哀悼の意を表するため、追悼式を執り行うとともに、災害を風化させない取組として、令和2年度には、坂町自然災害伝承公園内に水害碑を建立し、令和4年度は、坂町災害伝承ホールを開館いたし、写真や映像を通じて、豪雨災害から得られた教訓を未来に伝承するための取組を進めてまいります。
 また、令和5年度は、被害の状況やその後の復旧・復興の取組をまとめた災害記録誌を制作し、全世帯に配布することといたしております。
 次に、地域防災力の強化につきましては、災害に強いまち・ひとづくりのためには、行政による「公助」のみならず、「自助」・「共助」のもと地域で支え合うという意識醸成が重要であると考えており、「坂町地域防災計画」に基づき、災害に強いまちづくりに向けた防災教育や防災訓練の実施、自主防災組織の育成・充実等の促進に努めてまいります。
 地域が支え合い助け合う体制の構築に向けては、防災士の養成講座や地域の防災力を高めるための地域防災リーダー養成講座を継続して実施し、自主防災組織の活動を積極的に支援させていただくとともに、土砂災害ハザードマップの確認や自らの防災行動計画(マイタイムライン)を作成していただくなど、いざという時に、家族や近隣の方に声を掛け合い、即座に適切な避難行動ができる仕組みを、地域の方々と協議し、地域の実情に沿った訓練の支援を行ってまいります。
 令和5年度は、津波・高潮ハザードマップの更新を行い、町内全戸に配布してまいります。また、防災行政無線に係る戸別受信機の無償貸与をいたしており、加えて、河川状況の画像をスマートフォンやパソコン、町公式ラインでいつでも閲覧できる河川監視カメラにより、早期避難につながる取組を行っております。
 避難行動要支援者の避難につきましては、住民福祉協議会、民生委員・児童委員、福祉専門職の皆様をはじめとする避難支援関係団体の御理解・御協力のもと、自力で避難することが困難な方を身近な地域で支えあう仕組みである個別避難計画を、地域の皆様の御意見をいただきながら作成してまいります。
 Sunstar Hallは、坂町中心部の災害避難場所及び避難所であるとともに、備蓄倉庫や自家発電設備、太陽光発電及び蓄電池を備えた坂町の防災拠点施設として、引き続き、活用してまいります。
 令和4年度に供用開始いたしました横浜中央二丁目津波災害時一時避難場所は、津波災害時における一時避難場所として整備いたしましたが、坂地区においても、災害時、緊急的な活動を行うための防災公園を整備いたし、住民の安全の確保を図ってまいります。
 また、令和3年度に策定いたしました「坂町耐震改修促進計画」に基づき、耐震改修を促進する施策として、令和5年度に国・県・町が支援する補助制度を導入し、住宅・建築物の耐震化を促進してまいります。
 本町では、坂町業務継続計画(BCP)に基づき、大規模災害発生時における役場機能を早期に回復させるとともに、非常時優先業務を早期に着手することといたしております。
 また、災害時に応急対策活動が速やかに行えるよう、災害時応援協定の締結などに取り組み、役場の危機管理体制の強化と、町民の生命と財産の保護並びに災害発生後の支援体制の強化に努めてまいります。

 

2 次世代に引き継ぎ、住み続けられる基盤づくり

 

 多くの人が集い、生活・文化の中心的役割を果たす市街地は、高度な都市機能が求められており、調和のとれた土地利用、幹線道路及び生活道路の整備、三位一体の防災対策などに努め、魅力ある都市空間の形成を図ってまいります。
 そのため、県道坂小屋浦線を中心とした交通体系の整備を図ることにより、良好な生活環境を確保するとともに、地域特性を活かしながら人や環境にやさしい施設など、効率的で計画的な基盤整備を進め、都市機能と自然環境の調和のとれたまちづくりを推進してまいります。
 また、第5次長期総合計画、都市計画マスタープランに基づく、まちの将来像や土地利用の基本方針、都市施設の整備方針、地域のまちづくり方針により、「誰もが安心・快適に住み続け、キラリ輝くまち さか」の実現に向け、まちづくりを推進してまいります。
 生活環境の保全に直結する空家対策につきましては、改定した「第2期坂町空家等対策計画」に基づき、安心して相談しやすい窓口づくりに努め、空家の発生予防及び適正管理又は利活用を促進することにより、空家の増加を抑制してまいります。
 空家の適正管理につきましては、適切な管理がなされていない4件の特定空家の所有者に対して、今後もきめ細やかな助言・指導を行うとともに、第三者に危険を及ぼす恐れのある空家の所有者に対しまして、対策の必要性についてお願いしてまいります。
 空家の利活用につきましては、引き続き、空家活用支援窓口の設置や、空家バンクの運営とともに、空家改修等支援事業に取り組み、加えて、地域おこし協力隊による空家の利活用を推進してまいります。
 また、引き続き、三世代同居・近居住宅支援事業、子育て世帯引越支援事業に取り組むとともに、東京圏からの移住支援事業を展開してまいります。
 小屋浦地区におきましては、近年、少子高齢化に伴い人口減少が顕著であり、これに歯止めをかけることが喫緊の課題であることから、平成29年度に、坂町有住宅の空き室を子育て世帯が入居できるように改修いたしました。また、令和2年4月からは、子育て支援住宅の使用料を引き下げ、令和4年9月からは、入居者資格を中学校就学中までの児童がある者に条例を改正することで、子育て世帯の入居促進に努めるなど、人口増に向け取り組んでおります。
 道路関係につきましては、本町では、国道31号で慢性的な交通渋滞が発生しており、町民の生活や経済活動等へ多大な影響を及ぼしております。このため、渋滞の緩和対策及び歩行者の安全対策として、以前から4車線化の整備を近隣自治体とともに関係機関へ働きかけており、令和2年度より、国土交通省において、総頭橋交差点改良事業に着手され、令和4年3月に地権者説明会が開催されたところでございます。
 さらに、国道31号や広島呉道路の機能強化として、広島呉道路の4車線化に向けて、令和3年7月に着工式、同年10月には小屋浦トンネルの工事発注が、令和4年3月には坂高架橋から小屋浦トンネルまでの坂工事も工事発注され、これで町内全区間の工事が発注されました。引き続き、国や西日本高速道路株式会社に早期完成を働きかけていくとともに、4車線化事業に併せて町道植田水尻側道線の整備も進めているところでございます。
 坂地区のまちづくりの骨格となる県道坂小屋浦線は、現在、平成ヶ浜から荒神橋付近までの1工区では、坂みみょう保育園付近と保健センター付近の副道の一部が完成しております。関係地権者等の御理解をいただき、県道用地の確保も進んでおり、まとまった用地が確保された箇所から県に順次工事を実施していただいている中で、令和3年3月には、JR呉線や国道31号を越える高架橋の下部工事に着手しております。また、令和3年10月には、荒神橋付近から向井田橋付近までの2工区について、国から事業認可を受け、関係地権者等の御理解をいただき、令和4年度から用地測量や境界立会を行っております。
 引き続き、関係地権者の方々の更なる御理解、御協力をいただきながら、県道坂小屋浦線の早期完成を目指し、県とともに全力で事業を推進してまいります。
 生活基盤に欠かせない町道等公共土木施設の整備につきましては、少子高齢化への対応、福祉環境及び防災機能の充実、交通利便性の向上、町内循環バスの運行など、より快適で安全な生活環境の創出と生きがいを味わえる生活空間の形成を目指す中で、坂地区においては住民代表による坂地区まちづくり協議会から道路整備などのまちづくり方針が提案されております。
 本町といたしましても、このまちづくり方針の実現に向けて地域住民と協働して創意と工夫を行いつつ、都市防災総合推進事業などにより、引き続き、良好な住環境を支える生活道の整備や円滑な通行の確保を目的として、県道坂小屋浦線への接続を図る道路や環状線道路事業を積極的に推進してまいります。
 この他に、地域において身近に利用される生活道路につきましても、道路の改良や歩道の整備による安全対策を進めてまいります。
 また、経年劣化により施設整備・保全が必要となっている橋梁等は、引き続き、補強、改修など必要な対策を計画的に実施し、利用者の安全を確保してまいります。
 公園緑地等の整備につきましては、これまでも計画的に実施いたしておりますが、都市公園遊具の適切な管理により、快適かつ安心して都市公園を利用していただくため、「公園遊具長寿命化計画」に基づき、専門業者による点検を行うとともに、適宜、施設の修繕や更新を実施してまいります。
 本町の公共下水道事業につきましては、事業開始当初に埋設した汚水管渠の老朽化等により、今後予想される道路陥没事故等の未然防止と改修費用等の低減を図るため、「下水道管渠長寿命化計画」に基づく汚水管渠及び雨水ポンプ場施設の長寿命化に取り組むとともに、生活環境の改善や公共用水域の水質保全、下水道事業の経営安定化を推進するため、未接続世帯に対する啓発を行い、一日も早い水洗化率100%を目指してまいります。
 また、公共下水道計画区域外の地域では、小型浄化槽の補助制度を活用していただき、町内全体の快適で健康的な生活環境づくりを推進してまいります。

 

3 豊かな自然と快適な生活環境づくり

 

 本町は、海や山、川などの豊かな自然環境を有しており、これらの自然を活かしながら、地球温暖化対策や公害防止など環境保全に努め、美しい自然と共生するまちづくりを推進してまいります。
 また、自然環境と共生し、あらゆる世代の町民が安全で快適に住み続けられるよう、親から子へ、子から孫へ、持続可能な地域づくりを町民と共に進めてまいります。
 森林保全につきましては、ひろしまの森づくり事業交付金などを活用し、多くの方々が利用される遊歩道周辺の森林を中心に整備し、景観形成や都市近郊林で人が森林に親しめる森づくりを推進いたします。
 また、森林環境譲与税を活用し、多くの人が集まる施設や遊歩道などにおいて、県産材を利用した看板やベンチ等を設置するなど、木材利用の意識や森林整備の必要性を啓発して、森林整備の促進に貢献してまいります。
 令和5年度には、ひろしま「山の日」県民のつどいを安芸郡4町合同で開催し、身近な森林や山と関わるきっかけづくりに取り組んでまいります。
 坂町循環バスにつきましては、地域住民、特に高齢者をはじめ交通弱者の方々の日常生活にとって欠くことのできない公共交通手段であります。地域間の公平性を考慮し、循環バス利用料の町内均一化を実施いたしましたが、令和4年度は、利用者の利便性向上を図るため、試行的に時刻表を改正し、令和5年度には、車両の老朽化に伴う横浜・北新地線の車両の更新、持続可能な地域旅客運送サービスの提供を確保するための「地域公共交通計画」の策定などについて実施してまいります。
 今後も町民の皆様の御意見を参考に、坂町循環バスをご利用いただき易く、効率的かつ永続的に運営するための検討を行ってまいります。
 ごみの排出抑制、資源化、再利用等につきましては、「たいびエコセンター」を拠点として、引き続き、町民・事業者の御協力をいただきながら、ごみの減量化等の推進に努めてまいります。
 ポイ捨てによる空き缶、吸い殻等の散乱防止につきましては、「坂町環境美化の推進に関する条例」に基づき、啓発に努めているところでございますが、引き続き、町民・事業者・関係団体と行政が連携・協働し、ごみのポイ捨て防止や地域の清掃活動を促進し、美しいまちづくりを進めてまいります。
 廃棄物の処理に関しましては、広域処理施設・安芸クリーンセンターにおいて、可燃ごみを適正かつ効率的に処理いたしており、継続して安全な廃棄物の広域処理を行うとともに、「環境基本計画」に基づき、本町における環境の保全・管理を進めてまいります。
 地球温暖化対策につきましては、「第5期地球温暖化対策実行計画」を策定し、本町の事務及び事業に関し、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出抑制に向け、取り組んでおります。
 具体的には、平成22年度から、屋外の防犯灯を皮切りに順次進めております照明器具のLED化でございますが、令和2年度には、本庁舎と町民センター、令和3年度には、小中学校、各社会教育施設及び公園を対象にLED化を進めたところであり、こうした取組を通じて、電力消費の節減に伴う二酸化炭素排出量の低減による地球温暖化防止対策を推進するとともに、維持管理経費の節減に努めてまいります。
 し尿の処理に関しましては、処理施設である安芸衛生センターは、昭和57年に建設され、41年が経過しており、老朽化が進んでいることから、関係者の御理解、御協力をいただき、安芸地区衛生施設管理組合や関係市町と連携し、今後のあり方について協議した結果、し尿及び浄化槽汚泥を所定の濃度まで希釈し、坂町の下水道管渠へ投入することといたしました。令和8年度までに整備を行い、令和9年度からの供用開始を計画いたしております。
 次に、消防体制につきましては、常備消防業務を広島市へ事務委託したことにより、経費負担は軽減され、日常の消防・救急業務はもとより、大規模災害や特殊災害への対応は強化されております。引き続き、広島市消防局、坂町消防団、坂町女性防火クラブ、坂町少年消防クラブ、各地区自主防災会と密接な連携を図るとともに、令和5年度は消防小型ポンプの更新を行い、さらに消防力の向上を図ってまいります。
 次に、防犯対策につきましては、現在実施していただいている自主防犯パトロールの支援、防犯組合等による啓発活動の充実を図るとともに、犯罪の未然防止や警察の捜査に役立つことから町内主要道路などに防犯カメラを設置し、安全・安心な住みよいまちづくりを推進しております。
 さらに、平成ヶ浜地区の警察学校及び県警機動隊の活動により、犯罪の抑止効果とあわせて、町民の安全・安心の確保に大いに効果があがっていると考えております。
 今後も地域・警察・行政・関係団体等がそれぞれの役割を担い、協働して防犯活動を推進してまいります。
 また、坂町暴力団排除条例に基づき、引き続き、行政・町民・事業者が一体となって、地域ぐるみで暴力団の排除に向け、取り組んでまいります。
 交通安全対策につきましては、海田警察署、坂町交通安全協会等の関係機関と連携のもと、交通安全意識と交通道徳の高揚を図り、正しい交通ルールと交通マナーの実践を習慣づけるため、啓発活動の充実に努めながら、生活道路の整備に併せて交通安全施設の整備や交通規制等を図ってまいります。
 消費者問題につきましては、近年の情報化の進展や高齢化により、消費者を取り巻く環境が大きく変化し、複雑かつ巧妙化しており、これらに適切に対応するため、引き続き、消費生活相談窓口における相談・あっせん・情報提供を行ってまいります。また、広報紙や出前講座等により、消費者の意識啓発に努め、被害の未然防止を図ってまいります。

 

4 誰もが健康で暮らせるまちづくり

 

 近年、少子高齢化の急速な進展等に伴う保健・福祉に関する要望や要請が複合化・複雑化しており、その対応が課題となっております。
 このため、保健・福祉に関する相談やサービスを総合的・一体的に提供することができる、保健・福祉の拠点の整備を促進してまいります。
 また、拠点においては、「地域共生社会」の考え方である、地域の課題を「我が事」として受け止められる地域づくりを推進し、様々な課題や相談に対して「丸ごと」対応していけるよう、各関係機関と協働した包括的な支援体制とし、地域をともに創っていく社会の実現を目指してまいります。
 さらに、第1次福祉のまちづくり計画では、「誰もが夢と希望を持ち 明るい笑顔で絆を深める やさしさあふれる福祉のまちづくり」を基本理念とし、町民の地域福祉に対する理解を促進するとともに、支え合いの心を育みながら地域活動に参画することで絆を深め、誰もが夢と希望を持てるやさしさあふれる坂町ならではの福祉のまちづくりを目指していく中で、保健・福祉の総合相談窓口の設置を推進してまいります。
 保健・医療につきましては、町の健康増進計画・食育推進計画である「第2次(後期)健康さか21」及び自殺対策計画の「いのちを支える坂町プラン」に基づき、保健センターを拠点として、健康教育・健康相談・訪問指導の充実を図り、心身の健康保持・増進に取り組むとともに、「第3次健康さか21(健康増進計画・食育推進計画)、「第2次いのちを支える坂町プラン」を策定してまいります。
 特定健康診査受診率の向上につきましては、「第2期データヘルス計画、第3期特定健康診査等実施計画」に基づき、未受診者受診勧奨ならびに保健事業を推進するとともに、「第3期データヘルス計画、第4期特定健康診査等実施計画」を策定してまいります。
 健康づくりに欠かせない適度な運動であるウオーキングにつきましては、運動教室の開催とあわせ、65歳到達者へ万歩計配布も引き続き行ってまいります。
 また、坂町歌に合わせ座ったままでもできる「ようよう坂町体操」を幼児から高齢者まで気軽に楽しくできる体操として、更なる普及に努めてまいります。
 母子保健医療につきましては、安心して出産や子育てのできる町を目指し、不妊検査及び特定不妊治療や不育治療を受けられる方への治療費助成を引き続き実施してまいります。また、子育て世代包括支援センターを中心として、地域に密着した母子保健推進員と連携した家庭訪問の強化や育児相談、母親学級等を開催するなど、支援を一層充実させてまいります。
 さらに、産婦健診及び産後ケア事業を引き続き実施し、子育て支援センター等各関係機関と連携し、妊娠期から出産・子育て期まで一貫した伴走型相談支援を充実させ、切れ目のない支援に引き続き取り組んでまいります。
 高齢者福祉につきましては、「第9期高齢者保健福祉計画」及び「第8期介護保険事業計画」に基づき、「地域共生社会」の実現を見据えた「地域包括ケアシステム」の強化を行い、国の認知症施策推進大綱を踏まえ、共生と予防を車の両輪とした認知症施策に取り組むとともに「第10期高齢者保健福祉計画」及び「第9期介護保険事業計画」を策定してまいります。
 また、介護予防と健康づくりの推進につきましては、高齢者が要支援・要介護状態になることを防ぐために、80歳、85歳を対象とした歯科健康診査を継続し、更に、人生100年時代を見据え、高齢者が住み慣れた地域で、できる限り健やかに過ごせるまちを実現するため、「元気いきいき教室」や、地域の集いの場で住民の皆様が自主的に活動されている「いきいき百歳体操」を活用して、高齢者の心身の特性に応じた、きめ細やかな保健事業と介護予防を一体的に実施することにより、健康寿命の延伸及び介護予防に取り組んでまいります。
 令和2年から世界的に新型コロナウイルスの感染が拡大する中、町民の皆様の安全・安心を守るため、国、県との連携を図り、引き続き、感染拡大防止に取り組むとともに、予防接種や感染対策等の情報について、正確かつ速やかに住民の皆様に提供してまいります。
 障害者福祉につきましては、障害者が安心し、生きがいをもって生活できる地域社会づくりの実現を目指して、生涯を通じた切れ目のない支援を行うとともに、「第7期障害福祉計画」及び「第3期障害児福祉計画」を策定してまいります。
 障害者の重度化や「親亡き後」を見据え、障害の有無によって分け隔てられることなく、住み慣れた地域の中で安心して自立した生活ができるように、幼児期から大人になり就労するまでを切れ目なく支援を行う多機能型障害福祉サービス施設を、民間の社会福祉法人により植田地区に整備し、障害者の生活を地域全体で支えるサービス提供体制の構築を目指すとともに、施設内に災害時等に使用できる避難場所を設け、植田地区住民福祉協議会の要望に沿うべく整備を進めてまいります。
 また、障害児に対する施策につきましては、子育てに悩む保護者が育児を学ぶ「ペアレントトレーニング事業」を引き続き実施するとともに、子どもの発達課題に対して、早期発見・早期介入ができる支援体制を拡充するため、多機能型障害福祉サービス施設には児童発達支援センターの設置を予定しており、保育園等においては、障害児や医療的ケア児を受け入れるなど、療育支援体制の充実を図ってまいります。
 乳幼児等医療費助成制度につきましては、昨今の社会情勢等を踏まえ、令和5年度から現在の通院の対象年齢である小学校6年生までを、中学校3年生までに引き上げ、さらに一部負担金の500円につきましては、住民税非課税世帯において入院・通院とも無料となるよう、制度の拡大・充実を行ってまいります。
 子ども・子育て支援につきましては、「第2期子ども・子育て支援計画」により、子育ては保護者が第一義的責任を有するという基本的認識のもと、家庭教育の重要性を啓発し、併せて、学校、保育園、こども園並びに地域等が連携した地域ぐるみの子育て支援環境の整備に取り組むとともに、子育て世帯にとって身近な自然と直接ふれながら遊べる環境を充実させ、魅力あるまちづくりを進めることで、次世代を担う若い人々の定住化を促進し、町の活性化を図ってまいります。
 また、「子ども家庭総合支援拠点」において、引き続き、すべての子どもとその家庭及び妊産婦等からの相談窓口として、福祉の専門職が様々な不安や困りごとに関する支援を行ってまいります。さらに、関係機関と連携しながら、支援が必要な家庭の早期発見から児童虐待の未然防止、再発防止にあたるまでの支援を行ってまいります。
 子どもの健やかな成長を目的として設置した、平成ヶ浜住宅及び坂町有住宅内の「子育て支援センター」では、乳幼児のいる親子の交流や、育児相談、育児に関する講座、情報提供などを行ってまいります。
 保育園及びこども園の運営につきましては、乳幼児期は生涯にわたる人間形成の基礎を培う重要な時期であることから、引き続き、運営法人と協力し、質の高い教育と保育の充実、並びに安全・安心な施設整備に努め、今後も保護者に信頼される地域に根ざした園づくりを行ってまいります。
 昨今の物価高騰の影響により生活に困窮する方を支援するため、生活困窮者自立支援制度による支援を実施し、社会福祉協議会とも連携しながら各種支援施策を充実させるとともに、複合的な課題を有する生活困窮者の支援にも努め、効果的な支援を行ってまいります。
 男女共同参画社会につきましては、性別にかかわりなく、個性や能力を発揮できる社会の実現に向け、令和3年度に策定した「第2次坂町男女共同参画プラン」に基づき、意識啓発や地域における環境づくりを推進してまいります。

 

5 夢や希望を育み、絆をつくる人づくり

 

 子どもから大人まで、町民一人一人が夢と希望と生きがいのある生活が実現できるような社会を形成するとともに、坂町の将来を担う子ども一人一人が、社会の変化に的確に対応する知識や技能、人や自然へのやさしさ、創造力豊かな感性、たくましく生きるための意欲などを培えるように、「知・徳・体」の調和のとれた児童生徒の育成に努め、「生きる力」を育む教育を推進してまいります。
 とりわけ、「徳」については、社会の秩序維持に必要とされる礼儀、節度などの失われつつある日本の古き良き「礼節」を重要視し、基本的な規範意識、美しいものや自然に感動する心、家族愛や郷土愛、公共心や他者を思いやる心などの道徳心の高揚を図ってまいります。
 また、新しい時代を切り拓いていく子どもたちが、夢や目標を持って挑戦していく社会の実現を目指し、地域と協働しながら地域の価値ある資源の保存・活用に努めるとともに、絆をつくる取組を推進してまいります。
 さらに、子どもたち一人一人が、自ら志を立て、強い精神力をもって努力し、将来、「自立した社会人」として活躍できる児童生徒の育成に努めてまいります。
 本町における人間の尊厳等に関する施策につきましては、法の理念に基づき、坂町人権擁護協議会及び坂町教育委員会並びに関係機関・団体等と連携を取りながら、行政施策の推進を図ってまいります。
 情報化社会に生きる子どもたちにとって、教育における情報通信技術(ICT)を基盤とした先端技術等の効果的な活用が求められています。このため、本町では、国が進める「GIGAスクール構想」のもと、情報機器端末を活用した教材による教育を推進するとともに、継続的に財源を確保し、子どもたちを誰一人取り残すことのない、個別最適化された学びを支援してまいります。
 英語教育につきましては、世界共通の価値観や世界規模の課題に対応する子どもたちを育てるため、小・中学校に外国語指導助手を配置し、各学校における英語教育の充実に努めてまいります。
 また、小・中学校間の円滑な接続を図り、語学力や他者と意思疎通を図る能力を育成してまいります。
 「地域とともにある学校づくり」では、学校と地域が一体となって子どもたちを育て、地域との絆を強めるとともに、次代の担い手を育成するため、学校運営協議会による地域と共にある学校づくりを推進し、さらなる地域連携・協働体制の構築に努めてまいります。中学校の部活動においては、学校主体で地域とともに盛り上げていけるよう、部活動指導員を配置し、支援してまいります。
 学校施設の改修整備につきましては、安全で安心して学ぶことができる施設及び避難場所としての維持管理が重要であり、引き続き、長寿命化計画に基づき、適宜、学校施設の改修を実施してまいります。
 防災教育では、自他の命を大切にし、主体的に行動できるとともに共助の意識を育てるため、防災に関する意識や技能の定着を図り、家庭や地域と連携した防災活動の充実に努め、地域ぐるみの防災教育を推進してまいります。
 坂町の子どもたちが、「ふるさと坂町」に誇りをもち、異なる文化や価値観を理解し、「日本の将来を担う人になる」という夢や希望の実現に向かって挑戦する児童生徒の育成を目指してまいります。
 生涯学習においては、心の豊かさや、生きがいのための学習意欲の増大、社会経済の変化への対応が求められる中、町民一人一人が生涯を通じていつでも自由に学習機会を選択して学び、同じ楽しみを持つ仲間を作ることができ、その成果が適切に評価されるような生涯学習社会を目指します。
 このため、町民センターや図書館等を活動拠点として位置づけ、地域における生涯学習に取り組む体制及び学習環境の整備を図ってまいります。
 「放課後子どもプラン」等につきましては、子どもたちが生活体験、社会体験などの様々な体験活動に自主的に取り組めるよう、地域で子どもを育てる環境や、家庭・地域の教育力の向上を目指して、地域ボランティアの協力のもと、更なる充実に努めてまいります。
 留守家庭児童会につきましては、坂・横浜・小屋浦全ての地区で待機児童もなく、全学年の受け入れを行っております。
 図書館におきましては、蔵書を計画的に整備しており、今後も引き続き資料の充実に努めるとともに、町民の皆様が気軽に利用できる魅力ある図書館にしてまいります。
 子どもの読書活動につきましては、新型コロナウイルスの感染状況を注視しながら、「坂町子ども読書活動推進計画」に基づき、読み聞かせや図書館まつりを再開しており、家庭、地域、学校など社会全体で、子供の読書活動を推進してまいります。
 スポーツ・文化活動の振興は、町の発展だけではなく、心身の健全な発達や、人々に感動や生きる喜びをもたらし、暮らしに潤いと活力を満たす大きな力となるなど、健康で文化的な生活を営む上で極めて重要な役割を果たしています。スポーツ・文化活動を通して、町民相互の連携と親睦を図ることにより、助け合いや一体感を醸成し、活気ある地域づくりの意識の高揚に努めてまいります。
 また、子どもたちが、スポーツ・文化活動に興味をもち、自立した社会人になっても活動を継続する意欲と実践力をもった人づくりに努めます。
 スポーツ・文化活動の現状につきましては、坂町体育協会及びスポーツ少年団並びに坂町文化協会が中心となって活発に活動されており、相当な成果を上げていることについて、指導者及び関係者の皆様方に厚く御礼申し上げます。引き続き、関係諸団体との連携を密にし、指導者の育成と確保に努め、スポーツ・文化活動を振興してまいります。
 また、坂町史4編の普及・活用に引き続き努めるとともに、B&G財団の助成金を活用し、地域の発展に貢献された偉人をマンガにする事業を展開し、制作後は町内の学校・図書館に配布して学習活動に利用するなど、坂町の歴史・文化を後世に伝えてまいります。
 Sunstar Hallは、町内外のスポーツ交流の場として、また、文化交流拠点等として、引き続き、施設の適切な維持管理に努めてまいります。イベントの開催につきましては、新型コロナウイルスの影響により中止や延期を余儀なくされておりますが、令和5年度も町民の皆様に喜んでいただけるよう、可能な限り開催してまいりたいと考えております。
 なお、令和5年6月18日には、国民的人気番組である「NHKのど自慢」の開催が決定しておりますので、町民の皆様の御参加などの御協力をお願いいたします。
 国際交流の推進につきましては、幅広く町民が参加できる国際理解講座などを通じ、他国の文化や習慣等について理解を深め、国際的な視野をもった人材の育成に努めてまいります。
 また、コロナ禍のため実施を見合わせております中学生を対象とした海外研修青少年対象事業につきましては、急激な円安による渡航費用の高騰や新型コロナウイルスの収束が見込めないことなどにより、断念せざるを得ない状況となっております。しかしながら、円安の解消並びに新型コロナウイルスの収束等、安全・安心に渡航できるような状況になった際には、再開できるよう準備をしてまいります。

 

6 産業活性化・観光振興による活気あるまちづくり

 

 坂町の豊かな自然、歴史的・文化的な地域資源、地理的条件などを活かしたまちづくりを進めるとともに、人々が気軽に自然に接し体験できるよう、観光レクリエーション施設の整備と利用を促進してまいります。
 本町の農業を取り巻く環境は、農地の多くが傾斜地にあることで効率化が難しく、さらに、高齢化により地域の担い手が減少傾向にあり、イノシシやサルなどの有害鳥獣による農作物の被害も報告されており、厳しい状況にございます。
 こうした状況のなか、新たな生きがいや、やりがいを求めて農作業に興味を持つ方を含め、農作業に携わる方が意欲を持てる環境をつくるため、休耕地を利用したレクリエーション農園の運営や、農産物品評会の開催などに取り組むとともに、有害鳥獣からの被害防止対策費用を補助し、都市近郊農業の振興を図ってまいります。
 特産である広島カキの一翼を担うカキ養殖及び漁船漁業は、本町の唯一の地場産業として、森山北漁業基地を拠点に操業が行われておりますが、平成8年に整備された基地内の浮消波堤は、老朽化により機能が発揮されず、波浪の影響により漁業活動の安全性が確保できないため、一文字防波堤の改修を県に進めていただいております。
 今後も漁業の振興にかかる諸施策を継続し、坂町漁業協同組合と連携を密にしながら、必要に応じて、国や県に働きかけるなど、水産業の振興に努めてまいります。
 新たな特産品の開発及び振興につきましては、地域おこし協力隊を導入するとともに、広島カキやムラサキ麦、町木である梅を推奨し、本町の特色を活かすため、町公式キャラクターや観光資源等を活用して、多くの人に愛される商品の開発を進めてまいります。
 梅ペーストと町公式キャラクターを用いて開発し、今後、販路を拡大していく饅頭は、町外の方が本町に対する関心を高める契機となるよう、そして、町内事業者による本町の誇りとなる新たな特産品開発の促進につながるよう活用してまいります。
 また、本町のムラサキ麦を原材料としたビールは、製造再開に向けた検討を行っているところであり、原材料の確保や新たな生産体制の確立に努めるなど、地域資源を通じて元気な坂町を目指してまいります。
 商工業の振興につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復を確かなものとするための経済対策や原油価格・物価高騰対策に関し、国や県の対策等と連動して、町内の中小企業等を支援するとともに、町内中小小売業の活発な商業活動を展開していくため、引き続き、中小企業融資制度を継続し、経営基盤の強化を図ってまいります。今後も、広島安芸商工会と連携し、商工業の振興に努めてまいります。
 観光振興につきましては、坂町まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づき、ベイサイドビーチ坂に整備した物販施設等で、地元特産品を販売するとともに、海でのマリンスポーツやビーチスポーツ、背後地でのトレッキングの拠点にできる本町を象徴する施設として、町内外に魅力や情報を積極的に発信してまいります。
 また、ベイサイドビーチ坂を通じた観光・地域振興をより効果的なものとするよう、地域おこし協力隊の導入や、令和4年度、広島県から陸域部分に関しての管理委託を受け、年間を通じた賑わいの創出と交流人口、関係人口の増加を図るとともに、新しい生活様式に対応した仕事ができる場所を提供し、本町の観光と商業、農業、漁業などの地域産業が連携した地域経済の活性化を図ります。
 さらに、海水浴シーズンにおける国道の渋滞緩和、利用者の安全対策を図る横断歩道橋や情報伝達施設などの整備について進めているところであり、引き続き、早期完成に向けて県などの関係機関へ働きかけてまいります。

 

7 効率的な行財政運営を図るまちづくり

 

 今日の地方公共団体におきましては、人口減少・高齢化の進行、行政需要の多様化など、社会情勢の変化に一層適切に対応することが求められており、厳しい財政状況下においても、質の高い行政サービスを効率的、効果的に提供する必要があります。
 国が策定した「デジタル田園都市国家構想基本方針」では、地方の社会課題を成長の原動力へと転換し、持続可能な経済社会の実現や新たな成長を目指すとされています。
 本町におきましても、デジタル変革を通じた新しい地域と社会の構築を目指し、情報通信技術(ICT)を活用した地域課題の解決、行政手続のオンライン化、行政システムの標準化・共通化、情報の漏洩防止対策の徹底等について重点的に取り組み、引き続き、住民密着のデジタル化を進めてまいります。
 また、デジタル社会の基盤となりますマイナンバーカードの取得促進につきましては、新たに、横浜出張所及び小屋浦出張所におきましても、交付や更新などの手続きができるように機器の整備を行ってまいります。
 また、毎週木曜日に午後7時まで役場で行っております専用窓口の延長受付と土曜開庁日の受付につきましては、今後も継続してまいります。
 各地区や事業所などに職員が出向いて行っております「出張申請窓口」につきましても、積極的に展開するとともに、マイナンバーカードの普及を通じて、町民の方々にとって利便性の高い社会生活を推進してまいります。
 広報活動につきましては、さらなる情報発信の強化を図るため、令和4年度に、より魅力的なホームページへと更新するとともに、町公式ラインを導入し、必要な情報を必要な時に皆様のお手元に迅速にお届けする仕組みを構築してまいりました。
 令和5年度には、民放放送局のデータ放送を活用し、スマートフォンの操作が苦手な方やインターネット環境がない方など、子どもから高齢者まで、テレビを通じて容易に情報を入手できる機能を導入してまいります。
 また、仮想現実(VR)を活用した観光施設の魅力発信を行うなど、町の情報発信の拡充・強化に、より一層取り組んでまいります。
 さらに、町の魅力発信を図るとともに、町民の皆様に愛着を深めていただくことを目的に、町の魅力を表現した原動機付自転車のご当地ナンバープレートを制作してまいります。
 また、町公式マスコットキャラクター「坂うめじろう」を町内外の各種イベントに出演させるとともに、キャラクターグッズを活用したPRに努め、本町を多くの方々に知ってもらうための取組を行ってまいります。
 今後も、広報誌をはじめ、様々な情報媒体を活用し、町民の皆様に役立つ身近な最新情報の提供に取り組むとともに、内容をより充実させ、本町の魅力を余すことなく、県内外はもとより海外へも積極的に情報発信してまいります。
 各公共施設の維持管理につきましては、令和3年度に策定いたしました「町民ひろば長寿命化計画」及び「社会教育施設長寿命化計画」に基づき、施設の計画的な保全・管理に取り組んでまいります。
 水道事業特別会計では、令和3年度から、事業の安定的な運営を目的とし、これまでの官公庁会計から、地方公営企業法を適用した企業会計への移行を3ヶ年計画で進めております。
 令和5年度は、移行に向けた最終年度として、下水道施設の資産情報の整理や条例・規則等の改正を行い、移行後は、公営企業としての健全性を確保するため、財政の基盤強化や適切な資産管理を図り、下水道施設の更新費用の増大や人口減少社会による経営状況の悪化を未然に防げるよう、より一層の効率化・健全化に努めてまいります。
 令和5年度の施政方針の大綱を申し上げましたが、平成30年7月豪雨災害からの一日も早い生活再建、復旧・復興を必ずや成し遂げるために、高い次元の志を持って取り組むとともに、未来に向け、希望を抱ける行財政運営を行いたいと考えております。
 町政の基本理念は、町民一人一人が健康に恵まれ、安全で快適な生活環境の中で、活力と生きがいのある生活を営むことができる地域社会を形成することであると私は考えております。
 このような社会を実現するため、町民の皆様をはじめ、各方面からの御意見に耳を傾け、何を求めておられるかを的確に判断し、その実現のため、今後あらゆる創意と工夫のもとに、地に足が着いた施策を着実に推進してまいる所存でございます。
 議会の皆様をはじめ、町民の皆様の深い御理解と御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。