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令和3年度教育行政方針

はじめに

 新型コロナウイルス感染症の世界的な流行で「予測困難な社会」が現実のものとなった今日、急激に変化する時代の中で、学校教育には一人一人の子供たちに、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の創り手となるために必要な資質や能力を育成することが求められています。

 国では、感染症の拡大に伴い「GIGAスクール構想」を加速させ、ICTがこれからの学校教育を支える基盤的なツールであることを前提に、今後の学校教育の在り方について検討されています。

 坂町では「GIGAスクール構想」に基づく児童生徒1人1台のコンピューターと高速大容量の通信ネットワークを早期に整備していただいており、今後は充実したICT環境とICT機器を最大限に活用し、多様な子供たちを誰一人取り残すことなく、個別最適化された創造性を育む教育を推進していきます。

 さらには、人生100年時代の到来、※Society5.0(ソサエティ5.0)の実現など社会の変化や課題を踏まえた新しい時代を迎える中、生涯学習の重要性は一層高まっており、町民一人一人が生涯を通して学ぶことのできる環境の整備、多様な学習機会の提供等、生涯学習の理念を踏まえた総合的な政策を推進していきます。

 また、令和2年度に生涯学習課が計画していた行事やイベントに加え、町制施行70周年を記念しての行事やイベント等についても感染症の感染拡大の影響を受け、その多くを断念せざるを得ない状況になりました。今後は「ウィズコロナ」、「ポストコロナ」という新たな時代を見据えるとともに、環境の変化を取り入れ、国・県の動向を的確に把握したうえで、行事やイベント等の目的や効果を再検証し、柔軟かつきめ細やかに施策を展開していきます。

 坂町教育委員会といたしましては、「町長施政方針」及び「坂町長期総合計画」等に基づき、また「総合教育会議」の趣旨を踏まえ、町長部局と一体となって、効果的な教育行政を推進していきます。

※Society5.0(ソサエティ5.0):サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)を我が国が目指すべき未来社会の姿として提唱された。(内閣府)

<学校教育>

(1)「礼節」を基本とした教育の推進

 一人一人の子供たちが、自らを律しつつ他者と協調し、思いやりや感動する心を育みながら、「礼節」をわきまえた行為へと深めていく教育を推進します。

 時と場所、場合に応じた適切な挨拶や言葉遣いのできる「礼儀」と、自分自身の立場をわきまえ、よく考えて行動し、生活することのできる「節度」を一体として捉え、全ての教育活動を通して取り組んでいきます。

(2)確かな学力の向上

 これからの社会を主体的・創造的に生き抜いていくために、児童生徒一人一人に基礎的・基本的な内容の定着を図り、自ら学び、自ら考え、主体的に判断・行動し、よりよく問題を解決する資質や能力を育成します。

 育成に当たっては、「主体的・対話的で深い学び」の視点に立った授業改善を進めるとともに、個に応じたきめ細かな指導に努め、個別最適化された質の高い学びの実現を目指します。

 また、各教科等の特質や学習過程を踏まえ、ICTを積極的に活用し、児童生徒が分かりやすい授業を実現するとともに、確かな学力の向上を効果的に育成していきます。

(3)体力・運動能力の向上

 体力は人間の発達・成長を支え、創造的な活動をするために大切な役割を果たすことから、将来を担う児童生徒の体力を向上させることは、坂町の未来の発展のためにも重要であると考えます。

 今後も、各学校の実態を踏まえ、「体力つくり改善計画」を作成し、体育・保健体育の授業をはじめ、学校教育活動全体を通して、体力・運動能力の更なる向上に努め、児童生徒が心身ともに健やかで安全に成長していくことができる取組を推進していきます。

(4)防災教育の推進

 平成30年7月豪雨災害の経験や教訓を生かした防災教育を推進し、生涯にわたる防災対応能力の基礎を育成するとともに、復興に向けて心身ともにたくましく生き抜く力を育む防災教育を推進します。

 推進に当たっては、教育活動全体を通して、自然災害についての理解を深め、災害時に的確な思考・判断に基づく適切な意志決定や行動選択ができる力を育成します。また、自他の生命を尊重する心を育て、学校・家庭・地域の安全活動に進んで参加・協力・貢献できるような資質や能力を養い、能動的に防災に対応することのできる人材を育成していきます。

(5)特別支援教育の推進

 児童生徒の自立と社会参加を一層推進していくために、児童生徒一人一人の教育的ニーズを的確に把握し、ユニバーサルデザインに配慮した教育環境を充実させるとともに、適切な指導や支援を行います。

 このため、各学校で「個別の教育支援計画」及び「個別の指導計画」を作成し、効果的に活用するとともに、特別支援教育コーディネーターを中心に校内体制を整え、関係機関等との連携を積極的に進め、研修の充実や指導内容、指導方法の改善を進めていきます。

(6)ICT教育の推進

 次代を切り拓く子供たちには、情報活用能力をはじめ、言語能力や数学的思考力など、これからの時代を生きていく上で基盤となる資質や能力を確実に育成していく必要があり、そのためにもICT等を活用して、「公正に個別最適化された学び」を実現していくことが不可欠です。

 このため、本町では各学校に整備いただいたICT環境とICT機器を最大限に活用し、教員のICT活用指導力の向上を図り、情報モラル教育をはじめとする情報教育の充実など、ハード・ソフトの両面からICT教育を推進していきます。

(7)グローバル人材の育成

 グローバル化が進展する中、世界共通の価値観や世界規模の課題に対応する姿勢を育み、持続可能な社会の創り手となるために必要な資質や能力を身に付けることが求められています。

 坂町で育ったことに誇りをもち、胸を張って坂町を語り、国際社会で活躍できるよう、語学力やコミュニケーション能力を育むとともに、自らの考えや意見を伝え、主体性や創造性、責任感、チャレンジ精神をもって行動できる能力や態度を育成します。また、異なる文化や価値観を理解し、国際社会の平和や発展に貢献する人材を育成していきます。

(8)生徒指導体制の確立

 児童生徒を取り巻く社会環境が大きく変化する今日、問題行動の未然防止や早期発見・早期解決と健全育成を一体的に捉え、児童生徒一人一人の規範意識を高め、自己を律し社会的自立を促進する生徒指導体制の確立を図ります。

 また、学校・家庭・地域・関係機関等が互いに連携し、それぞれの教育力を生かした開かれた生徒指導を推進するとともに、校内における教育相談体制の充実に努めます。

 とりわけ、いじめ問題については、「どの子にも、どの学校にも起こりうる問題」として認識し、いじめの未然防止に努め、いじめが生じた際には、迅速な対応、悪化の防止、真の解決に結びつけるために、学校と教育委員会が一体となって適切な対応を行います。

(9)保育園・こども園・小・中学校連携・接続の推進

 町内の保育園・認定こども園、小学校、中学校間が円滑に連携・接続し、子供の発達や成長段階にあわせた教育の連続性、一貫性を確保し、子供に対して体系的な教育が組織的に行われることが重要です。

 このため、保育園・認定こども園と小学校が連携しながら、互いの教育・保育を理解し、見通しをもって、子供の育ちと学びを連続させていく連携体制の構築と教育内容の充実を図ります。

 また、小・中学校では9年間の教育課程を系統的、継続的な一つのまとまりとして捉え、学校間の円滑な連携・接続を確保し、心身ともに健康で、子供たちの発達段階に応じた「生きる力」を育成していきます。

(10)「地域とともにある学校づくり」の推進

 学校と地域が学校の目標を共有し、一体となって地域の子供たちを育んでいくことは、子供の豊かな育ちを確保するとともに、地域の絆を強め、地域づくりの担い手を育てていくことにもつながります。

 このため、町内各学校区において、地域住民や保護者等が学校運営に参画するコミュニティ・スクールを導入し、学校と地域が連携・協働しながら一体となって子供たちの成長を支える「地域とともにある学校づくり」を推進していきます。

(11)安全・安心な学校環境の整備

 学校施設は、未来を担う子供たちが集い、生き生きと学び、生活をする場であるとともに、地域住民にとっては生涯にわたる学習、文化、スポーツなどの活動の場であり、災害時等には避難所として役割を果たす重要な施設です。

 令和2年度に着工した町内各学校のトイレ改修工事も終了し、安全で快適な教育環境の充実が図られ、また学校が避難所等で利用される場合も、子供からお年寄りまで安心して使用できるトイレ環境が整備されました。

 引き続き、学校施設の老朽化対策として策定した「長寿命化計画」に基づき、効果的・効率的に長寿命化を図り、良好な状態の維持や安全性の確保に努めていきます。

<生涯学習>

(1)生涯学習社会の推進

 社会の急激な変化を背景に、価値観の多様化する中で長い人生を生き生きと生きるため、従来の学校中心の教育が見直され、あらゆる世代、すべての生活の場における生涯にわたっての学習が重視されています。

 そのため、町民一人一人が生涯を通して学ぶことのできる環境の整備、多様な学習機会の提供、学習した成果が適切に評価されるための仕組みづくりなど、生涯学習社会の実現を目指した取組を推進していきます。

(2)生涯学習環境の整備

 学習活動のさらなる充実を図るため、学習意欲をもつ誰もが、それぞれのライフスタイルに合わせて、いつでも、どこでも、気軽に学べる環境づくりを支援します。

 地域の小・中学校、町民センターや図書館などの公共施設が身近な学習拠点として、また交流の場として活用されるように、多様化・高度化する町民の学習の内容や学習方法に対応した施設整備や施設の連携、設備等の充実を図るとともに、活用の利便性に努めます。

 また、Sunstar Hall(町民交流センター)においては、町民に親しまれ、スポーツ・文化活動の交流拠点として活用されるよう関係機関等とも協力し、利用促進に努めるとともに、防災の拠点として、施設の適切な点検及び維持管理に努めていきます。

(3)生涯学習推進体制の確立

 社会の変化や町民の学習ニーズに応じた学習機会の提供や、学習活動をより豊かで魅力あるものとするため、中心的役割を担う指導者及びコーディネーターの確保と育成に努め、生涯学習を推進する体制の確立に努めていきます。

 また、講座参加者が継続して活動ができるよう自主グループの育成や生涯学習に関係する機関・団体間の連携・協力体制の構築を図ります。

(4)図書館運営の充実

 図書館は、地域の情報の拠点としての役割を果たすため、蔵書・資料などの計画的な収集・整備に努め、誰もが知識や情報を得ることができる環境を整えていきます。

 昨年は、「図書システム」の改修及び館内の空調機を更新しました。引き続き、図書館サービスの資質向上に努めていきます。

 また、子供の読書活動については、改定した「第3次坂町子ども読書活動推進計画」に基づき、これまでの成果と課題及び子供を取り巻く社会環境の変化を踏まえ、家庭・地域・学校など社会全体で、子供の読書活動を推進していきます。

(5)生涯スポーツ社会の振興

 町民の誰もが生涯を通じていつでも身近にスポーツに親しむことができる環境を整備し、幸福で豊かな生活を営むことができる生涯スポーツ社会の実現を目指します。

 推進に当たっては、坂町体育協会や関係機関等と連携・協力し、「坂町悠々健康ウオーキング大会」をはじめとする各種スポーツ大会や主催事業を開催し、町民のスポーツ活動を通した体力増進・健康維持の機会の充実を図ります。

 また、昨年開催予定であった東京オリンピック・パラリンピックが、新型コロナウイルスの世界的な流行を受け延期されたため、本町で予定されていた聖火リレーも令和3年5月17日に延期されました。

 今後は、安全・安心な聖火リレーの開催に向け、引き続き関係機関と緊密に連携して準備を進めるとともに、聖火リレーのコンセプトである「希望の道を、つなごう。」が、多くの町民にとって希望の道を照らし出す光になるような聖火リレーの開催を目指します。

(6)青少年の健全育成

 青少年の健全な育成は、青少年が、豊かな人間性を育み、心身ともに健やかに成長するとともに、社会とのかかわりを自覚しながら、次代の社会の担い手として自立することを目指しています。

 このため、青少年育成坂町民会議や学校等と連携し、「あいさつ運動」や「道徳作文」、「青少年の主張」などへの参加を促進し、あらゆる機会を捉えて、他人を思いやる心や善悪の判断などの基本的倫理観を養い、社会的なマナーを身につける等の健全な育成に努めていきます。

(7)「放課後子どもプラン」の推進

 子供たちが放課後や週末の自由な時間を安全で安心して活動できる拠点として、「放課後子ども教室」や「子どもチャレンジ講座」の充実に努め、地域全体で子供を守り育てる意識の啓発を図り、子供たちの社会性、自主性、創造性等の豊かな人間性の涵養を目指します。

 現在「留守家庭児童会」は、坂・横浜・小屋浦の全ての地区で高学年の受入施設の整備が完了し、全学年の受け入れを行っています。今後も「放課後子ども教室」と連携しながら、放課後の適切な遊びや生活の場を提供し、子供たちの健全育成と子育て支援の充実に努めるとともに、長期休業中のみの受け入れや、早い時間帯の受け入れ態勢についても引き続き検討していきます。

(8)芸術・文化活動の振興

 芸術・文化活動は、人々に感動や生きる喜びをもたらし、暮らしに潤いと活力を満たす大きな力となることから、芸術・文化を大切にする社会の実現を目指します。

 町民センターをはじめ、公共施設における自主グループや芸術・文化団体の育成と支援を継続するとともに、「坂町歌」「坂町音頭」の普及と振興に努め、地域に根ざした芸術・文化活動を推進します。

 また、文化協会・関係機関及び団体等と連携し、芸術・文化活動の活性化が図られるよう、情報の提供や発表の場、参加する機会の拡充に努めます。

 この度の新型コロナウイルスの感染拡大の影響により各種事業やイベントが中止若しくは延期となりました。令和3年度につきましては、開催時期の感染症状況等を注視しつつ、活動内容や発表・鑑賞方法等について検証し、柔軟かつきめ細やかに進めていきます。

(9)町史の普及・活用の促進

 歴史資料の普及啓発及び、郷土愛を育むことを目的に刊行された町史と編さん事業に伴い収集した資料を活用し、青少年から高齢者まで幅広い年齢層を対象に各種事業を展開します。

 町民の歴史や文化に対する関心・意欲を高めるとともに、先人が築いた歴史や文化を次世代に継承するため、坂町史の普及・啓発活動に努めます。

 また、町内の史跡に案内板を設置し、多くの方が坂町の歴史や文化を知り、触れることで、より一層の郷土理解、郷土愛の醸成に努めていきます。

(10)国際交流の推進

 国際化が進展する中、青少年自らが国際社会の一員であることを自覚し、異なる文化や歴史に立脚する人々と共生していくことが求められているため、国内外における異文化体験や共同生活体験等の機会を提供し、次代を担うグローバル人材を育成します。

 とりわけ、昨年中止した「第7回坂町海外研修青少年対象事業」を新型コロナウイルスの感染状況を注視しながら再計画し、過去6回実施した本事業の成果と課題を踏まえ、移民の歴史、ホームステイ体験、現地学校訪問、郷土出身者の会「南加坂郷友会」との交流、現地研修等の内容を検討し、事業の充実に努めていきます。

 また、本町をホストタウンとするメキシコビーチバレーボールチームのオリンピックの出場が決定された場合は、ベイサイドビーチ坂で実施される直前合宿をサポートするとともに、町民とのスポーツ交流をはじめ、幅広い分野での交流機会を提供し、トップアスリートとの交流が子供たちの夢や希望を育むきっかけとなるような機会を支援します。

4 おわりに

 新型コロナウイルス感染症の影響は様々な分野に及んでおり、今後も感染拡大防止と教育施策の両立に取り組むとともに、新しい生活様式が推奨される中、各施策を「ウィズコロナ」、「ポストコロナ」の視点で再構築していくことが優先課題であると考えます。

 坂町教育委員会といたしましては、「夢や希望を育み、絆をつくる人づくり」を基本目標とし、子供たち一人一人の能力や個性を伸ばし、新たな時代を豊かに生き抜く力を育成する質の高い教育を推進するとともに、学校・家庭・地域が一体となって子供たちを育む「地域とともにある学校づくり」の充実に努めていきます。

 また、町民の皆様が生涯を通じて健やかに充実した生活を送ることができるよう、文化に親しみ、スポーツを楽しむための環境づくりに努め、「社会が人を育み、人が社会をつくる」好循環と生涯学習社会の実現を目指した効果的な取組を進めていきます。

 厳しい財政状況の中、町当局の教育行政に対する温かいご支援に心から感謝申し上げるとともに、その期待に応えるため、より一層努力し、坂町教育の向上及び発展のために邁進します。

 今後とも議会の皆様並びに町民の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

お問い合わせ

坂町教育委員会事務局 学校教育課

TEL
082-820-1524
FAX
082-820-1523
メ-ルアドレス
gakukou@town.saka.lg.jp

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