LOADING
ページトップへ戻る
Tel.082-820-1520
人(坂ぐらしの人たち)

DIYから始まる坂ぐらし 野村啓道さん、森岡菜摘さん

DIYから始まる坂ぐらし 野村啓道さん、森岡菜摘さん

野村啓道さん、森岡菜摘さん坂町中村地区在住

広島市から坂町に移住してこられた野村さんと森岡さん。現在、お二人が住まれているのは、童話に出てきそうなかわいらしい木の家です。この家は、坂町にあった空き家を賃貸し、ご自身たちのDIYによって生まれ変わりました。

元々あまりDIY経験のなかった野村さんと森岡さんですが、いつかは自分たちのこだわりを持った家に住みたいと考えていました。そんな時、知人から坂町の空き家を改修して住まないかと話を持ち掛けられ、悩んだ結果、挑戦することに決めたそうです。

新しく住む家は「ナチュラルで自然素材にこだわった、環境にやさしい家に住みたい」という思いから、材料はとことんこだわりました。床などの防腐剤には竹炭を使ったり、はがした足場板の廃材はリサイクルして、今も木製の家具として使われています。また、おしゃれなドアノブは、森岡さんが島で拾ってきた流木を使っているそうです。

元々この家で使われていた窓を再利用して、新しく設置した天窓からは明るい光が差し込んでくるため、日中は電気を点ける必要がありません。あらゆるところに自然が活かされているこの家は、中にいるだけで癒されるような、とても心地良い空間が広がっていました。

平日は仕事をしながら、週末にDIYを行っていたため、住み始めるまで約1年半かかったそうです。しかし、野村さんは「始めてみると楽しかった。DIYをしたことによって、いろんな知り合いが増えました。」と話してくれました。始めた時は、完成までの道のりがとても遠く、不安もあったそうです。しかし、知人や地元の方など、たくさんの人達の協力のおかげで、無事に完成までたどり着くことができました。みんなで玄関床を埋めるためのモルタルを作ったり、壁に土壁や漆喰を塗ったり、床板を張ったり、いろんな人たちと一緒につくり上げたこの家は、たくさんの個性が見え隠れしています。

家が完成した後も、DIYで知り合った方たちからプチトマトの苗を貰ったり、地元の漁師さんの漁船に乗せてもらったりするなど、交流が続いているそうです。地元の繋がりが多いのも坂町の特徴です。坂町に来てからまだ間もない野村さんですが、素敵な坂ぐらしを送っておられました。

野村さんは「みんなが集まれる場所を作りたい。」と話してくれました。その言葉通り、野村さんたちのDIYは、たくさんの人たちの交流の場となっていました。

現在の家は、元々あった離れをDIYして住んでいるため、母屋をどうするかは検討中だそうです。新しくDIYをするのかもしれませんし、今ある古民家を大切に管理して、何かに活用していくのかもしれません。どんな形になっても、野村さんたちの周りには、たくさんの人たちが集まり、笑顔あふれる坂ぐらしが続いていくのだろうと思います。

(令和4年9月21日更新)